保育園不足の背景にあるもの

現在日本が抱える社会問題の一つに、保育園不足というものがあります。これまではしっかりと3歳までは家庭で育てて、その後小学校に進級するまでに集団生活に慣れさせるために幼稚園に通わせていた家庭がほとんどだったと思います。このような育児スタイルは、1990年代までは上手くいっていましたが、日本経済の低迷により、夫の給与だけでは到底足りなくなり家庭では、生活費を工面すべく妻も働くようになり、満1歳から預かってくれる保育所のニーズが高まりました。

とはいえ、長年根付いてきた子育ての習慣は簡単に変えられるものではなく、突然のニーズの高まりに、国や自治体の対応は遅れています。そのため、需要と供給のバランスが崩れてしまって、現在に至っています。

しかも、この状況に追い打ちをかけているのが保育士の待遇の問題です。保育士は、国家資格を取得しないといけないほど難易度の高い職業ですが、実際に就職すると活発に動く子供の世話は重労働であり、それに対して待遇が悪いという状態に陥っています。せっかく地域のニーズに対応するための保育所を作っても、肝心の保育士の待遇が悪いと保育士の確保は難しくなるので、人材不足に陥っているようです。

ですから、保育園不足の問題を改善するためには、まず国や自治体が率先して女性の社会進出を助ける活動を行う必要があります。まずは、男性と女性の賃金の格差を減らすとともに、出産後も働きやすいように、企業に対して働きかけを行わなければ、状況は一変しないでしょう。そして、その上で保育士の給料と休暇といった待遇改善を行うことで土台を作り、幼稚園と保育園の垣根をなくして、合同で養育できる環境を作ることが有効だと私は思います。